興福寺三重塔の初層内部には、弁才天坐像が佇みます。
弁天さんが三重塔に坐しておられたとは・・・意外と知られていない事実ですよね。
興福寺三重塔の弁才天坐像。
興福寺三重塔は国宝に指定されている建造物ですが、その初層内陣には千体に及ぶ釈迦、薬師、阿弥陀、弥勒如来の板絵が描かれています。東の須弥壇には弁才天坐像と十五童子像が安置されています。
この弁才天坐像、弘法大師の勧請によるものだそうです。
弁才天坐像の頭部には鳥居が見られ、鳥居の間から翁の顔が覗きます。年老いた翁は宇賀神(うがじん)なんだそうです。これはまさしく、神仏習合の仏像と言えるのかもしれませんね。
中世以降に穀霊神・福神としての信仰を集めた宇賀神は、後に弁財天と習合して宇賀弁財天として祀られることもありました。そう、弁天さんと宇賀神は名コンビなのです。
興福寺国宝特別公開として、今年は三重塔と北円堂が特別開扉されています。
興福寺三重塔は寺内最古の建造物として知られます。
国宝・興福寺三重塔。
興福寺南円堂の西側に建つ三重塔は、1143年に建立されています。その後、治承の大火で焼失しましたが、間もなく再建されています。
興福寺国宝特別公開の宣伝用ポスター。
上が北円堂で、下が三重塔の写真ですね。
興福寺南円堂の脇に水みくじが置かれていました。
昨今のおみくじには色々な工夫が見られますね。
隣りに水の張ったバケツが備えられていました。
おみくじを水に浸けると、文字が浮かんでくるという仕組みですね。
興福寺三重塔を南側から撮影。
昨年は興福寺五重塔の初層内陣も拝見させて頂きました。塔内部に安置された仏像や仏教的意匠に触れ、益々奈良の歴史の深さに感じ入った次第です。
三重塔の弁天様は8本の手をお持ちでいらしゃいます。
それぞれの手には、如意宝珠や輪宝などが見て取れます。普段は非公開になっている興福寺三重塔。この機会に是非、興福寺へ足を運んでみられてはいかがでしょうか?
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