夏の盛りの結婚式というのも、他の季節には感じられない趣があっていいものです。
橿原神宮で挙式のご親族からご予約を頂き、苦瓜の煮込み料理を作ってみることに致しました。苦瓜の中に鶏肉、海老、古代米、パプリカ、とうもろこし等の食材を射込んで、にんにく、生姜、豆板醤の味で煮込みます。普段の婚礼料理とはまた違った一品でおもてなし致します。
ゴーヤの古代米煮込み。
新鮮なゴーヤ(苦瓜)の見分け方は、表面のちりめん状のイボの張り具合を確認します。水分を含んで張りのあるイボが目印になります。鮮やかな緑色をしたゴーヤは新鮮で、持ってみて重みを感じるものを選ぶようにしましょう。
ゴーヤには塩を振ってえぐみを抜き、1~2分湯に通して水に取ります。接着剤の役割を担う片栗粉を内側に振り、タネとしてまとめた鶏肉や海老を射込みます。
大正楼の結婚披露宴会場に鏡開きの酒樽がスタンバイ。
毎度のことではありますが、結婚披露宴会場の下準備をしていると、何とも言えない独特な凛とした空気に包まれます。
煮込む前の手順として、一旦油で炒めます。
こうすることによって、具材の旨味が閉じ込められる効果があります。
今回使った古代米には、黒米、赤米、緑米なども含まれます。奈良が誇る古代米の甘味を存分に味わって頂くお料理に仕立てます。
最後にお鍋で煮込んで仕上げの工程に入ります。
ゴーヤ独特の苦味は、発がん性物質の活性化を抑える効果があると言われています。健康野菜として食卓にも登場する機会も増えていますよね。その苦味成分から敬遠されることもありますが、しっかりとワタを取り除いて、塩や熱で適切な処理を施せば、これほど食べやすい野菜もありません。
手水舎の清めの水。
手水の作法を以前に橿原神宮で再確認致しましたが、事あるごとに復習が必要ですね。結婚式にご列席になられるご親族の方々も、この機会に是非覚えておきましょう。
赤いソースが絡んで、盛夏にも美味しく頂ける一品の完成です。
結婚生活は甘いだけではありません。
甘い新婚生活が過ぎ去ると、その先には苦い経験も待っていることでしょう。酸いも甘いも噛み分けて、お互いに一筋縄ではいかない長い結婚生活を送ることになります。婚礼料理の苦瓜は、そんな結婚生活の洗礼(笑)とでも受け取って頂いたらいいでしょうか。
ビタミンCが豊富に含まれるゴーヤ。
その含有量は胡瓜の10倍、冬瓜の3倍とも言われます。
ゴーヤの皮はレイシに似ていることから、ツルレイシとも呼ばれています。沖縄料理や中国料理ではおなじみの食材として知られています。
毎朝の健康ジュースとして、ゴーヤを体内に摂取しておられる方も多いのではないでしょうか。健康のイメージが付きまとうゴーヤは、意外と婚礼料理にもおすすめなのかもしれません。
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