生駒郡安堵町にある紫雲山極楽寺をご案内致します。
安堵町観光において、熊凝精舎跡地に立つ額安寺と広島大仏で知られる極楽寺は外せないところではないでしょうか。
極楽寺の広島大仏。
金箔を貼りめぐらした堂々とした体格の大仏様です。
極楽寺は水子供養のお寺としても有名です。
ご本尊は大仏殿に安置される広島大仏ではなく、本堂に収められた阿弥陀如来坐像です。極楽寺の阿弥陀如来様は藤原時代の傑作で、国の重要文化財にも指定されています。
極楽寺の本堂。
本堂の向こう側に見えているのが大仏殿です。
阿弥陀様がご本尊のお寺ということで、山号の「紫雲山」という名前にも納得です。紫雲(しうん)とは、念仏行者がご臨終の際、仏様が乗って来迎する雲のことを言います。紫雲で思い出すのが、京都の平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像です。阿弥陀如来の周りを、楽器を奏でながら雲に乗って来迎する姿が表現されています。あの雲も、おそらく紫雲なのではないかと思われます。
極楽寺山門。
安堵町の守り神である飽波神社から程近い場所に佇みます。
今はもう閉館してしまいましたが、陶芸家の富本憲吉記念館や安堵町歴史民俗資料館なども徒歩圏内です。
存在感抜群の広島大仏。
盛り上がった螺髪から、さらなる仏様の偉容が感じられます。
像高は約4mにも及びます。広島の爆心地近くに安置されていたそうです。戦後、原爆で犠牲になった方々を弔うために祀られていた仏様です。
印を結んでおられますね。
縁あって奈良の地に来られた大仏様です。今後、奈良県民である私たちも大切にしていきたいと思います。
大仏殿向って右側には、多数の石仏が祀られていました。
魅力的な仏頭も二体あり、知られざるその由緒に興味が湧いてきました。美しいお顔立ちで知られる山田寺の仏頭はあまりにも有名ですが、こういった名もなき仏頭にも、それぞれに歴史的な件(くだり)があることを思うと、奈良の懐の深さに改めて感じ入ってしまいます。
極楽寺には無料駐車場が完備されています。
民家の中にある駐車場ですので、前向き駐車をおすすめ致します。駐車場の看板にも、「前向き駐車」が推奨されていました。近隣の迷惑にならないよう、マナーを守って車を停めましょう。
水子供養の仏像の前に「虹の橋」が架けられていました。
いつの時代も、はかなく消えた幼い命への供養は絶えることがありません。
紫雲山極楽寺は587年に聖徳太子によって創建されています。太子創建のお寺の一つだったのですね。極楽寺周辺には聖徳太子の足跡が幾つか見られます。額安寺も聖徳太子創建のお寺ですが、飽波神社の境内には太子の腰掛の石が鎮座しています。
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